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完売した億ション なぜか“新規分譲中”の不思議 (ゲンダイネット)
数年前に完売したはずのマンションが“新築分譲”されるケースが増えているそうだ。一体どういうことなのか?
業界で注目されているのは、07年から09年にかけて、広尾や神宮前といった都心で売り出された好立地マンション。発売当時は、いわゆる“億ション”にもかかわらず完売して話題になった。
「広尾の物件は売り出し当時、“二度と出ない魅力的な物件”と評判でした。07年1月から販売を開始し、最高価格の10億円住戸を含め、売り出した309戸が年内に完売。業界関係者をうならせたものです」(都内の不動産コンサルタント)
ところが、この物件の公式HPを見ると、58.75平方メートルの1LDK(8810万円)から197.05平方メートルの3LDK(5億9900万円)まで、29戸が今も販売中になっている。
「完売したはずの物件が販売を継続している場合、キャンセル住戸が発生したことが考えられます。一般的に、分譲マンションは竣工(しゅんこう)前に販売を開始しますが、申し込みから引き渡しまでの間に、経済状況が変わってしまうこともある。例えばJALの社員だって、07年当時は、会社が潰れるなんて思ってもいなかったでしょう。08年以降、日本経済は停滞し、大手企業も軒並み給料ダウン。人生設計が狂って、キャンセルせざるを得なくなった購入希望者が多数いたのではないでしょうか」(不動産情報サービス「東京カンテイ」市場調査部上席主任研究員の中山登志朗氏)
キャンセルすれば、1割ほどの手付金は戻ってこないが、ローンを支払えない状況になれば、解約するしかない。深刻なデフレ不況は、高級マンションの相次ぐキャンセルを引き起こしているのだ。
(日刊ゲンダイ2010年1月26日掲載)
[ 2010年1月29日10時00分 ]
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