1.求められる内外一体の経済政策
(1) 低迷する日本経済の現状
我が国は1970年代、1980年代を通じて先進5か国の中で最も高い実質GDP成長率、及び1人当たり実質GDP成長率(3%台)を経験した(第4―1―1表 )。しかしながら、1990年代に入ると状況は一変し、我が国の実質GDP成長率は4%台から1%台へ、1人当たり実質GDP成長率も3%台から1%台へと低下している。また1990年代の労働生産性の上昇率は、1980年代の上昇率(2.6%)の半分の1.3%まで低下しており、先進5か国の中でも最も低い値となっている(第4―1―2表 )。
企業倒産件数についてはバブル経済の崩壊に伴い1990年代は上昇傾向にあり、1999年で減少したものの、2000年には再び増加して2万件近くに達している(注105)(第4―1―3図 )。また近年の大型倒産に伴い、企業倒産1件当たりの負債総額が上昇しており、2000年には過去最高の12億7千万円を超えたほか、企業倒産負債総額も過去最高(約24兆円)を記録した。
また失業率は、2000年には年平均で4.7%、月次では12月に4.9%といずれも過去最高(注106)を記録した。株価についても、東証株価指数(TOPIX)は2000年春より下落基調で推移している他、日経平均株価(注107)は2001年2月22日にバブル崩壊後の最安値を記録(注108)、その後3月13日には16年ぶりに1万2,000円を割り込んでおり(注109)、マーケットにおいては我が国経済の先行きに関する懸念等が指摘されている(第4―1―4図 、第4―1―5図 )。
第4―1―1表 先進5か国における経済成長率の推移
第4―1―2表 先進5か国における労働生産性上昇率の推移
第4―1―3図 我が国における企業倒産件数及び企業倒産負債総額
第4―1―4図 我が国における完全失業率の推移
第4―1―5図 我が国における株価の推移
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