2010年2月28日日曜日

慈善団体を名乗る米国人らによって国外に連れ出されるところを

ハイチの連れ去り未遂、被害の子どもに大人への不信感宿る
2010年02月01日 22:26 発信地:クロワ・ド・ブーケ/ハイチ
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クリッピングする 拡大写真を見る 写真をブログに利用する ハイチのクロワ・ド・ブーケ(Croix des Bouquets)で、米慈善団体に連れ去られそうになり国際児童保護団体SOSチルドレン(SOS Children)の児童保護施設SOSビレッジ(SOS Village)に保護された33人の子どもの1人。生後13か月前後(2010年1月31日撮影)。(c)AFP/ROBERTO SCHMIDT
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【2月1日 AFP】大地震の発生したハイチで前週末、慈善団体を名乗る米国人らによって国外に連れ出されるところを救出された子どもたち33人は、首都ポルトープランス(Port-au-Prince)郊外の児童保護施設で31日、大人への不信感をあらわにしながら、身を寄せ合っていた。

■子どもたち同士でかばい合い

 赤い服を着た1歳の女の子は、4歳、5歳、7歳の子どもたちに囲まれ、様子を見に来た大人たちをじっと見つめた。女の子はベンチに腰掛け、隣に座っていた4歳くらいの友人の手を固く握りしめている。子どもたちの保護されている施設、SOSビレッジ(SOS Village)は、地震で荒廃したポルトープランスの中ではオアシスのような場所であるにもかかわらず、女の子は手を緩めようともしない。年上の子どもたちは代わる代わる女の子を守るようにひざに乗せたり、温かく抱きしめていた。

 SOSビレッジで活動するチリやグアテマラ、コスタリカなど各地から集まった数十人のボランティアたちも、子どもたちの連れ去り未遂事件に対する動揺を隠せない。

「ハイチで地震後、今回のような出来事が起こっているのではないかと思える要因はあったが、それでもやはりショックだ」とビレッジを運営する国際児童保護団体SOSチルドレン(SOS Children)の広報担当、オーストリア出身のゲオルグ・ウィライト(Georg Willeit)さんは語る。

■施設の来訪者におびえ

 ウィライトさんは来訪者たちを、普通の家に見えるよう改装した避難小屋の前まで案内したが「前夜、子どもたちがとても怖がっていたので」と話し、子どもに質問をしないようにと念を押した。

 ここでは十代の少女3人が、水色の服と帽子を身に着けた生後7か月くらいの女児を世話していた。この女児は30日に施設にやってきたが、栄養失調と脱水症状があったため、その晩は病院で過ごしたのだという。「この女の子は、ごはんをうまく食べられない。食べ方自体が分からないんだ」(ウィライトさん)

 ハイチ当局は、地震後の混乱に乗じて人身売買業者が子どもたちを誘拐したり、違法な養子縁組組織が、適切な確認作業が終わっていない孤児たちを連れ去る可能性があるとして注意を呼び掛けている。多くのボランティアたちは、地震後に子どもを探し出そうと、子どもの写真を持った親が施設を訪れていると話す。

 ハイチ人口の約半数が18歳未満だ。避難キャンプやがれきに覆われた通りには常に、子どもたちの姿が見受けられる。なかには母親や父親がテントや食料、水の配給を手に入れようと1日中あちこち駆け回っている間に、親からはぐれてしまっただけの子どもたちもいるかもしれない。(c)AFP/Paula Bustamante

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