2009年12月9日水曜日

ユニクロ

2009年12月8日
真性デフレの大波は、価格水準自体を1980年代にまで引き戻しつつある。このままでは一握りの「勝ち組」だけが生き残り、あとは死屍累々たる風景が残るのみ。低価格を支持する消費者も、いずれはデフレの悪循環に巻き込まれる。

 新宿西口店は1200人、銀座店には2000人の大行列ーー。11月21日、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングは創業60周年の感謝セールを開始した。初日は通常1500円で販売している保温下着の「ヒートテック」を各店先着200人に限り600円で販売したほか、通常は4足で990円の靴下を60人限定で1足10円にした。

 しかも路面店を中心に約400店では午前6時という早朝に開店し、先着100人にパンと牛乳を配った。この「朝食付き」の特別セールに、東京や大阪などの各店では買い物客が未明から列をなした。東京都内の店舗にわざわざ電車で足を運び、午前5時すぎから並んだ40代の主婦は、目当ての商品が買えず、「電車代が無駄になった」と悔しがる。

「30年前より安い」居酒屋
 ファーストリテイリングがフリースブームで営業利益1000億円を超えたのは、政府が「緩やかなデフレ」を認めた2001年だった。そして、再び政府がデフレ宣言をした今年、同社は過去の記録を塗り替えて、史上最高益を達成した。

 価格破壊の「勝ち組」ユニクロが生み出した夜明け前の大行列は、「真性デフレ」の象徴的な光景である。

 今、世の中には低価格と値下げの嵐が吹き荒れている。

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